この記事では、FXを全く知らない方でも分かるように、「移動平均線(MA)」について解説していきます。
- 移動平均線(MA:Moving Average)の種類と特徴を理解する‼
- 移動平均線が表示されるながれを知る‼
- 移動平均線(MA)で確認できることを知る‼
- 長期・中期・短期の移動平均線(MA)の組み合わせで確認できることを知る‼
FXのチャート分析において移動平均線(MA)はとても役立ちます。MTF分析にも繋がるものなのでしっかり勉強して理解しましょう。
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移動平均線(MA:Moving Average)
移動平均線はある一定期間の価格(通常は終値)の平均を結んだ線グラフのことで、テクニカル分析において最も使用される基本的な指標になります。
「MA:Moving Average」とも呼ばれ、米国のJ.E.グランビルが移動平均線と価格の位置関係に着目し、「グランビルの法則」を考案したことにより急速に普及しました。
移動平均線は「上向きなら上昇トレンド」 「下向きなら下落トレンド」というように、相場のトレンドを一目で読み取ることができるため、初心者にも扱いやすいテクニカル指標になっています。
グランビルの法則は、米国のアナリストであるJ.E.グランビルが考案した理論で、移動平均線の向きや乖離率などから相場の方向性を分析します。※詳しくは後述します。
移動平均線(MA)の種類
移動平均線はある一定期間の価格の平均を算出してグラフ化したものですが、その算出方法にはいくつか種類があり、それによって異なる移動平均線になります。
そして、その中でも代表的な移動平均線が、「単純移動平均線(SMA)・指数平滑移動平均線(EMA)・加重移動平均線(WMA)」の3つになります。
どの移動平均線を使用するかはトレーダーの好みになりますが、それぞれの移動平均線にどのような特徴があるかは理解しておきましょう。
単純移動平均線 (SMA) | 一定期間の価格を単純に平均値として計算して結んだもの。 多くのトレーダーが使っている移動平均線。 |
指数平滑移動平均線 (EMA) | 直近の価格にだけ比重をかけて平均値を計算して結んだもの。 単純移動平均と比べて、直近の値動きに対する反応が早くなる。 |
加重移動平均線 (WMA) | 直近の価格に近付くほど比重が大きくなるように計算して結んだもの。 指数平滑移動平均線よりも、直近の値動きに対する反応が早くなる。 |
3つの移動平均線がどのように異なるかは、実際のチャートに表示してみると分かりやすいです。気になる方は試してみましょう。
5日移動平均線の計算例:単純移動平均線(SMA)・指数平滑移動平均線(EMA)・加重移動平均線(WMA)
以下の5日間のローソク足の終値に対して、日足の移動平均線(5SMA・5EMA・5WMA)がどのように計算されて作られるのかを例として挙げます。
1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 |
---|---|---|---|---|
300円 | 400円 | 500円 | 600円 | 700円 |
単純移動平均線(SMA)の計算
単純移動平均線は、一定期間の価格を単純に平均値として計算して結んだもので、今回の例では以下のように計算されます。
( 1本目終値 + 2本目終値 + 3本目終値 + 4本目終値 + 5本目終値 ) ÷ 5
( 300 + 400 + 500 + 600 + 700 )÷5 = 500
指数移動平均線(EMA)の計算
指数移動平均線は、一番新しいローソク足の終値を2倍にして計算するので、単純移動平均よりも直近の価格に重点をおいた移動平均線です。
( 1本目終値 + 2本目終値 + 3本目終値 + 4本目終値 + 5本目終値 + 5本目終値 ) ÷ (5+1)
( 300 + 400 + 500 + 600 + 700 + 700 )÷( 5 + 1 ) ≒ 533.333
加重移動平均線(WMA)の計算
加重移動平均線は、より直近の価格に重点をおいている移動平均線であり、他の移動平均線よりも素早く値動きに反応します。
(1本目終値 × 1) +(2本目終値 × 2) + (3本目終値 × 3) + (4本目終値 × 4) + (5本目終値 × 5) ÷ (1+2+3+4+5)
(300×1)+(400×2)+(500×3)+(600×4)+(700×5)÷(1+2+3+4+5) ≒ 566.666
先ほどの表の価格の変動を見ると、1日目の300円から5日目の700円にかけて徐々に価格は上昇していることが分かります。
そして、それに対して3つの移動平均線の計算結果は以下の通りでした。
単純移動平均線(SMA) | 指数平滑移動平均線(EMA) | 加重移動平均線(WMA) |
---|---|---|
500円 | 533.333円 | 566.666円 |
この結果を見ると、価格の上昇に対して素早く反応しているのは加重移動平均線(WMA)だということが分かります。
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移動平均線が表示されるながれ(5SMAの場合)
計算方法だけでは分かりづらいため、単純移動平均線(SMA)を例に挙げ、実際にどのように表示されていくのかを説明します。
下の図は、5SMAを表示したものです。
移動平均線の各地点の平均値の計算方法を表にまとめました。
移動平均線 | 計算方法 |
---|---|
A地点 | ①~⑤のローソク足の終値の平均 |
B地点 | ②~⑥のローソク足の終値の平均 |
C地点 | ③~⑦のローソク足の終値の平均 |
D地点 | ④~⑧のローソク足の終値の平均 |
E地点 | ⑤~⑨のローソク足の終値の平均 |
: | : |
O地点 | ⑮~⑲のローソク足の終値の平均 |
移動平均線(MA)で確認できること
移動平均線を見るときには「向き・角度・ローソク足との位置関係」に注目し、それぞれ以下のことを判断します。
移動平均線の向き | 現在のトレンド方向を確認 |
移動平均線の角度 | トレンドの勢いの強さを確認 |
移動平均線とローソク足の位置関係 | 価格の上昇・下降の優位性を確認 |
①移動平均線の向き
移動平均線の向きを見ることで、現在のトレンド方向を確認することができます。
仮に、移動平均線が上向きならば上昇トレンド中だということを表しています。
逆に、移動平均線が下向きならば下降トレンド中だということを表しています。
②移動平均線の角度
移動平均線の角度を見ることで、トレンドの勢いの強さを確認することができます。
仮に、移動平均線が大きな角度で上昇しているのであれば、上昇トレンドの勢いが強いことを表していますし、上昇トレンドが継続することを予測することができます。
逆に、移動平均線が大きな角度で下降しているのであれば、下降トレンドの勢いが強いことを表していますし、下降トレンドが継続することを予測することができます。
③移動平均線とローソク足の位置関係
移動平均線とローソク足の位置関係を見ることで、価格の上昇・下降の優位性を確認することができます。
仮に、ローソク足が移動平均線よりも上に位置しているときには、上昇する優位性が高いことを表しいます。
逆に、ローソク足が移動平均線よりも下に位置しているときには、下降する優位性が高いことを表しています。
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長期・中期・短期の移動平均線(MA)の組み合わせで確認できること
移動平均線を用いるトレーダーは、複数の期間設定の移動平均線を用いてチャートの予測を行うことが通常です。
そのチャート予測においてよく確認されるものに「ゴールデンクロス」 「デッドクロス」 「パーフェクトオーダー」があります。
移動平均線(MA)の組み合わせ①:ゴールデンクロス
ゴールデンクロスは、短期の移動平均線が、中期や長期の移動平均線を下から上に抜けることをいい、「下降トレンドから上昇トレンドへの転換サインを読み取る」ことができます。
移動平均線(MA)の組み合わせ②:デッドクロス
デッドクロスは、短期の移動平均線が、中期や長期の移動平均線を上から下に抜けることをいい、「上昇トレンドから下降トレンドへの転換サインを読み取る」ことができます。
移動平均線(MA)の組み合わせ③:パーフェクトオーダー
パーフェクトオーダーは、短期の移動平均線・中期の移動平均線・長期の移動平均線がきれいに並び、同じ方向を向いている状態をいいます。
トレンドが継続していることを読み取ることができます。
移動平均線(MA)の設定期間
移動平均線の設定期間は自分で自由に設定することが可能になっているため、トレーダーごとに異なり、これが正しい期間はありません。
そのため、どのような設定期間を使用すればよいのか、FX初心者が一番悩む部分でもあります。
一般的な設定期間としては、短期であれば10~25、中期であれば50~80、長期であれば100~300が使われているみたいです。
短期MA | 中期MA | 長期MA |
---|---|---|
10 ~ 25 | 50 ~ 80 | 100 ~ 300 |
移動平均線の設定期間には、これが正しい期間ということはありません。ご自身の使いやすい設定期間を見つけてみましょう。
まとめ
今回は、FXトレードに必要な知識として「移動平均線(MA)」についてまとめました。
移動平均線は多くのプロトレーダーが利用するインジケーターです。
より優位性の高いエントリーポイントを探すことができるようにきちんと理解して使いこなしていきましょう。
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